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INTERVIEW


インタビュー

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Interview

地域サービス連携室 室長

平原 壮一#1

H17.6入職

今回はその長いキャリアを相談員としてスタートし、様々な立場を歴任して現在「地域サービス連携室」の室長として若手相談員の教育や相談窓口として活躍しているこの方に登場いただきました。今回も就活生必見の内容です! 一度でまとめきれない大ボリュームのため、2回に分けてお届けします。

「相談に来られた方の話をよく聴く」というところが一番のスタート

── よろしくお願いいたします。 相談職に至るまでの経緯とこれまでのキャリアについて教えてください。平原さんはながおか医療生協に入職後、これまで随分様々な事業所の運営に関わってこられましたが・・・

平原:親が福祉関係の仕事に就いていて、話を聞くうちに自分も人と関わる仕事に就きたいと思って、福祉系の専門学校に進学しました。元々はモノづくりが好きで、実は工業高卒でそっちの仕事に携わろうと思っていたので思い切った方向転換でしたね。入学後しばらく方向性は決めていなかったのですが、その当時医療ソーシャルワーカー(MSW)が注目されていた頃で、自分も病院でそのような役割を担えたらなと漠然と思っていました。
でも実際に就職先を探しても、募集がほとんどなかったんですね。なので長岡市内の病院に片っ端から直接訪ねて話を聞きに行きました。その中で後年生協の役員となるMSWと出会って話を聞き、病院への就職方針を転換して、市内の施設(介護老人保健施設)に入職しました。

そちらではまず介護職員として採用されました。未経験ながら結構楽しく現場業務に携わっていましたが、施設の相談員が退職したのをきっかけに、相談職になりました。その後、2000年に介護保険制度がスタートして、その翌年に「介護支援専門員」試験に合格しました。そろそろ次のステップに進みたいと考えていたのと、今度は地域(居宅)に出たいと思ったので、ながおか医療生協に入職しました。

ながおか医療生協は地域活動が活発で、面白そうに見えたんですね。 入職後は「ほっとあらまち(居宅支援事業所)」でケアマネージャー業務に携わった後に、組織体制の変更に伴って、「生協かんだ診療所」の事務長に。その後更に「生協こどもクリニック」の運営に関わりました。また2016年に社会福祉法人(虹のまち福祉会)を設立することになって、「多機能こどもセンター銀河(障害児支援事業所)」を立ち上げました。ある程度軌道に乗ったところで後任者にバトンを渡して、今は相談業務の支援で新人相談員の指導などのバックアップに回っています。

事務室での風景

── 平原さんの経歴はかなりユニークですよね。生協の相談職みんなが同じようなキャリアを経験するわけではありませんが、それだけ相談職の活躍の幅が広いということでもあります。それぞれの業務内容についてお話ください。

平原:居宅支援事業所ではケアマネージャーとして勤務に従事していました。ケアマネは約30名前後のご利用者を担当します。
高齢になると食事が作れない、一人でお風呂に入れないなどご自宅での日常生活を送ることが困難になる時があります。そこでご自宅で可能な限り自立した生活を続けるために、ご利用者やご家族の意向を確認しながら、どこの事業所にどんな内容のサービスを依頼するか、支援の組み立てと手配を行うのが居宅ケアマネの仕事です。
できるだけご自宅での生活を長く続けたいという気持ちに寄り添いながらも、ご自宅から離れるタイミングが来た場合は施設を手配するなど、利用者さんのライフステージに合わせた支援を行います。

── 相談員もケアマネージャーも利用者とサービスの中間に立つという意味では近い仕事ですね。

平原:私が施設で相談員をしていた1990年代はケアマネの資格制度はなく、「相談員」が全ての相談業務を担っていた時代でした。介護保険制度が施行されてからは、相談員とケアマネが協同してご利用者の対応を行うように変化をしました。
お互いに通じるところのある職種ですが、ホテルの業務に例えると、相談員は窓口でサービスを案内したり、施設生活全般の相談を担うコンシェルジュ、ケアマネはサービス自体を管理提供するサービスマネージャー、というところかもしれません。

── 相談員の延長線上にケアマネがあるイメージですが、ケアマネを志望しない方も実は多いですよね。

平原:どっぷりと向き合う分大変ですからね。利害関係の調整にも入らないといけないし、そうなると負担も大きいのは事実です。基本的に一人仕事なので、客観的な判断がなかなかつかないこともあります。判断力はとにかく経験の差なので、ケアマネの資格があれば身に付いているものでもなく、難しいです。
でも自分の采配で利用者さんの生活が安定してくると大きな手ごたえを感じます。うちの相談員の皆さんもぜひチャレンジして欲しいですね。

── そして事務方に回ったのちに「多機能こどもセンター銀河(障害児支援事業所)」の立ち上げです。児童分野は学生に人気の分野ですが、平原さんも元々志向していたところはあったのですか?

平原:いやあ、それが全然考えたことがなくて。施設が始まるのは本部会議で知ってましたが、他人事みたいに捉えてたところに管理者に任命されたのでびっくりでした。100%未知の世界だし、書類の申請手続きから図面の確認から職員の面接から何から何までかかわっていました。
いざサービスが始まる段階になって、これはもう他の事業所の真似をして進めるしかないかなと思って、市内の他の事業所さんにお願いして、無理を承知で見学をさせてもらったんですね。でも皆さん親切なもので、断られるのを覚悟で依頼したのですが、市内のほとんどの事業所さんが受け入れてくださって、ありがたかったですね。現場の方のあとを一日中ついて回って、ほとんど実習みたいなものでした。

「多機能こどもセンター銀河」の思い出

──児童の相談の難しいところを教えてください。

平原:高齢者の場合、相談に来られるのは70代前後のご家族が多いですが、児童になると30代前後のお父さんお母さんになりますよね。高齢者の場合、支援内容はこちらにお任せいただけるところが多いのですが、児童の場合はご両親が具体的なイメージをお持ちの場合も多く、どれだけそのイメージに近づけていくかがやりがいであり苦しみでもあります。支援の効果が見られることもあれば、残念ながらそうはならないこともあります。現場の方々は少しでも安心して喜んでもらえればと思って取り組んでいると思いますよ。

── 高齢と児童とで、求められる資質は違うのでしょうか?

平原:高齢も児童も「相談に来られた方の話をよくきく」というところが一番のスタートで、そこは変わりません。それと主体者の意思決定を大事にするのも同じですが、児童は親御さんに具体的なイメージがある分、親御さんの悩みに寄り添う難しさがあります。答えが出ないお悩みも多いのですが、少しでもお役に立てればという思いで話を伺っていました。

そういった難しさもあるので、新卒の方がいきなり児童の相談業務に入っても、ご家族の思いを受け止めきれない怖さもあります。先ずは、相談業務に入るのではなくて、直接支援から入って一定の人生経験を積まないと難しいでしょうね。そこは高齢も児童も同じですね。私も最初介護職員として働いていた経験がその後非常に役立ちました。支援を必要とされている方の生活や介護を受ける状態がイメージできるようになるので、必要な支援の形も見えてきます。

また今の世帯はほとんど核家族ですから、身の回りに高齢者がいないし介護のある方は更にいないことが多いですよね。家族の大変さ、切なさにも共感しないといけない。そのため、ながおか医療生協グループに就職する新卒の相談員は、まず介護から身に付けてもらいます。自分が望む業務ではないかもしれませんが、後々活きてくるから絶対必要な素養となります。

(#2に続く)