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インタビュー

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Interview

地域サービス連携室 室長

平原 壮一#2

H17.6入職

前回に引き続きお届けします。相談員に必要な「素養」とは何か。「一人前の定義」とは。「成長」とは、「未来」とは・・・大変な仕事ですが、その先にある大きな可能性について語ってもらいました。将来福祉の仕事を考えている学生さん、そして新人の相談員諸君は必読です!

冷たい頭とあったかい心

#1から続く)

─── 相談員は一定の課程を修了すればなれますが、知識や資格だけあればつつがなく仕事ができるわけでもないですよね。

平原:「冷たい頭とあったかい心」私が、学生時代に援助技術を学んだ時に印象に残っている言葉です。相談員は目の前の問題に対してどれだけ冷静に対処できるかが問われる仕事だと思います。問題の解決はあくまでも当事者の課題なので、援助者が必要以上に感情的に係わる事は控える必要があります。

─── 気持ちが先走りすぎてはいけないということですね。

平原:こちらができるのは側方支援であって専門知識の中から様々な選択肢を提示はしますが、最終的な決定は本人か家族がすることになります。支援はするけど、入り込みすぎてはいけない。その一定のラインを自分で引けるようにならないと、よい支援はできない。
 そのために求められるのは「困っている人の助けになりたい」という「暖かい心」と「問題を客観的」にとらえて「冷静な判断」をおこなう「冷たい頭」が必要になると思います。

─── 新任の相談員がつまずきやすいのはどんなところでしょう。

平原:相談員として求められるのが「自分を状況に合わせていく」という感覚だと私は思っています。自分のこだわりを捨てて、何を求められているのか、必要とされているのかを意識して、柔軟に対応する姿勢です。
 時にはそれって相談員の仕事?と思うこともあるけど、事業所の困りごとであれば対応しなければならない時があります。利用者さんの忘れ物を届けるとか、薬を取りに行くとか、灯油がないので買いに行くとか。受診の送迎等。その組織にとって自分が果たすべき役割は何なのかを意識して動くことができるか、その場に必要とされていることをスッとできるか。全て利用者さんの利益につながる事だと思えば、快く活動できると思います。
 しかし、そう言うと相談員としての専門性がないじゃないかという意見もあると思うのですが、そういった中で円滑な人間関係が築けるものだし、結果的に自身の仕事がやりやすくなり、最終的には、利用される方にとって快適な環境を作れるようになると思います。

─── 支援は施設内外の方々と調整しながら進めるわけですが、そこで求められる力とは何でしょうか?

平原:調整で必要なのは「段取りの力」でしょうかね。例えば、問題が10個あったら同時に10個解決しようとしても無理じゃないですか。案件ごとの重要度を測りながら、段取りを踏んで進めていかないと達成できないでしょう。
 自分だけで解決するのが無理だったら、何処の誰に相談すれば解決するのか、その見極めをするのも大事になります。ゴミ問題だったら環境生活課だったり、徘徊など、場合によっては警察の生活安全課に会議に同席してもらったり。問題がどこにあって、誰と組んでいけば解決できるのかというコーディネートの感覚が必要で、そのためにはどの順番でどう仕事の筋道を立てていくか・・・やはり段取りですね。
 また、事務仕事も多いのですが、書類を効率的に処理していくのも必要ですね。記録に何時間もかけるのではなく、要点だけ項目にして簡潔にまとめるとか。限りある時間を有効に使ってゆく事が大切なのだと思います。
 加えて、相談職であればクレーム対応をする事もありますが、クレームは「困ったことがありました」というお申し出なので、どうしたら問題解決が出来るか対応をしなくてはなりません。全て自分で対応しようとしても無理がありますから、関係者と協議しながら解決を目指す力も必要とされると思います。

─── 求められるのは「冷静さ」と「段取り力」というところでしょうか。

平原:相談者から話を聞くところから始まって、関わる人たちに提案や情報共有をしながら最終的にどの様な支援を展開してゆくのか形にしていかなければなりません。その「形にする力」は業務の中である程度身につけていけるものと思います。この「形にする力」が養われるかどうかが、相談職として活躍できるかの分かれ道ではないかと思っています。

サンタに扮して

─── 入職後のキャリアについて伺いたいのですが、まず相談員は何ができれば「一人前」なのでしょうか。

平原:入職後は、支援対象者の方々・事業所の社会的な役割・他の職員さんの役割や行動を理解することから始まって、次に家族との連絡の仕方や、施設見学から利用までの諸手続き、更に利用後に生じる諸問題の対応が出来る様になるなどの実務的なことを着実に身に着けて、一人である程度は判断して動けるようになった段階と言えるでしょう。これに加えて、他の職種さんと円滑な人間関係を築けるか。そのためには先ほどお話した「状況に合わせて動く」ことができるか。その辺が最初の目標点となると思います。

─── その後の目標は? ケアマネ取るぞ!とか?

平原:終着点はないと思います。ケアマネージャーの資格を取得して地域に入っていくのも良いでしょうし、高齢分野だけではなく、他の支援分野に取り組んでみる事も良いと思います。それよりもまずは、定員や人員及び、整備しておかなければならない書類などを理解して、管理者と連携を取りながら施設の適正な運営にかかわれる様になってほしいと思います。このためには、介護保険法などの法令に慣れ親しんでもらう必要があると思います。漢字とカッコ書きだらけの文面に最初は戸惑うかもしれませんが、ぜひチャレンジしてください。
 また、施設を運営するには、利潤が必要です。私は正当な労働には正当な報酬があって良いと考えています。事業所の利潤を求めるこのためにも、介護保険制度良く学んで熟知する。更にトレンドをつかめるようになる事が必要ですし、加算を算定して+αの報酬を得るには、何を準備してどの様に何をすればよいのか「段取りが出来る」力が必要になると思います。相談員は報酬を得るためには中心的な役割を担う事が多いですから、大いに期待したい部分です。

─── まさに「一人前」になったその先にあるものですね。

平原:ここに至るには5年10年かかると思います。また、相談員の仕事はここまでと決まっているわけではなく、業務で得たノウハウでいろんなことができます。それをどう応用していくか?それが相談員業務の醍醐味なのではないかと思います。
 例えば、その力は事業所の立ち上げや法人の運営にも生かせます。それまでの経験で培われた想像力を駆使することで、どんどん視野も広がって、大きなことを考えられるようになります。そのためには段取りの力を養って、仕事を着実にこなしていくこと・・・その積み重ねですし、段取りの力が上がれば、こなせる仕事の量も複雑さも上がって自分ができる仕事のサイズも大きくなります。それが自分自身の成長なのだと思います。

─── 自分自身の成長が法人の成長につながる。そんな働き方ができれば理想的ですね。

平原:もっともらしい事を前編・後編で色々お話してまいりましたが、私も20数年前は新人だったわけで、今思い出しても恥ずかしいような失敗を多く経験してきましたし、今でも失敗をすることは多くあります。これから相談職を目指そうと思われている方や、職務年数が浅い方は、どんどん失敗することをお勧めします。「えっ!」って思うかもしれませんが、最初から上手にこなせる人間なんて一人もいません。失敗したら、かかわった人に謝って、自分で誤ってしまった原因を分析し、次に同じような事が起こらないようにして、どんどん自分をアップデートする事が大切だと思います。「失敗は成功の母」「子(し)曰(いわ)く、過ちて改めざる、是(こ)れを過ちと謂(い)う。」「昨日より今日。今日より明日。」私が業務で行き詰まると思い出す言葉です。失敗した時には私はもちろん職場の先輩たちが助けてくれますからまずは、失敗を恐れず色々な事に取り組んでほしいと思います。

─── 今日はどうもありがとうございました。


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